2009年6月アーカイブ

同一の賃借人に対し複数戸の住居や店舗を賃貸することがあります。
そのような場合、ある一戸だけの住居または店舗について用法違反などの違
約事由が生じたときは、それを含めて全戸分の賃貸借を解除できるか否かが
問題となります。
これは賃貸に関する契約の個数や転借人の有無などの実情に応じてケース
バイケースに判断しなければなりません。

・店舗と住居で別個の賃貸借契約

賃貸借契約の解除事由があるかどうかは契約ごとに判断します。
したがって、店舗と住居の契約当事者が全く同一であったとしても、住居につい
て賃貸に関する契約解除事由が存在しない限り、住居の契約を解除すること
はできません。
ただし、店舗について用法違反がある場合でも、判例による「背信性の理論」
により、当事者間に信頼関係の破壊がない場合には、用法違反等の契約解
除事由があっても店舗の賃貸借契約の解除をすることもできません。

これは、言い換えると、賃貸に関する信頼関係の破壊というのは、個々の賃貸
に関する契約の履行態度に関しての法的評価であって、それを離れた全人格
的な面でのぶつかりあいとは次元を異にしているということになります。

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